内田病院

利根沼田地域リハビリテーション広域支援センターうちだ

地域で暮らす皆様がいきいきと生活できるよう支援しております。

広域支援センターの主な活動

①福老ソング体操DVDの作成・研修会開催による体操の普及

住民主導型介護予防事業「鬼石モデル」で用いられている運動プログラム 「高齢者の暮らしを拡げる10の筋力トレーニング」を利根沼田地域では福老ソング体操として行っています。歩く、立つ、座る、またぐ、階段の上り 下り、高いところの物を取る、落とした物を拾うといった生活動作に役立つように作られています。指導者がいなくても参加者だけで行うことができ、住み慣れた地域で仲間と一緒に楽しむことができます。

福老ソング体操研修会はYouTubeで視聴することができます。第1回と第2回の研修会視聴後に確認テストにご回答いただいた方にはDVDの配布を行っています。 以下にありますURLもしくはQRコードより視聴をお願いします。

第1回
  • 福老ソング体操の目的
  • トレーニング1~4の解説
第2回
  • トレーニング5~10の解説
第3回
  • 住民全体の教室運営のポイント
第4回
  • 福老ソング体操に関する質疑応答
確認テスト
  • 全4問
  • 回答者には福老ソング体操DVDプレゼント

②オーラルフレイル予防研修会の開催

オーラルフレイル(口腔機能の低下)は放置することで、摂食嚥下障害を引き起こし、身体機能の低下や要介護状態につながる可能性があり、早期発見や適切な対応が大切です。オーラルフレイルのチェックや口腔機能向上のための関わりを学ぶ研修会として、オーラルフレイル予防研修会を全3回にわたって開催してきました。
オーラルフレイル予防研修会もYouTubeにて視聴ができます。

以下にありますURLもしくはQRコードより視聴をお願いします。オーラルフレイル予防研修会の資料ダウンロードはこちら。

第1回

『オーラルフレイルをチェックし、日頃から取り組める体操を学ぼう』

  • オーラルフレイルを理解する
  • オーラルフレイルの診断・予防について学ぶ
第2回

『嚥下機能を学び、むせにくい身体づくりをしていこう』

  • 嚥下障害を理解する
  • 嚥下障害の評価・治療戦略について学ぶ

※録画の関係で画像や音声が乱れる箇所がありますが、ご了承ください

第3回

『(対談)地域での取り組みを歯科衛生士の笠原さんに教えてもらおう!』

  • 摂食・嚥下障害の評価を学ぶ
  • 食形態の変更・液体へのとろみの添加の方法を学ぶ

③行政機関・大学と協同したフレイル予防イベントの開催

コロナ禍により地域住民の方々に筋肉量の低下・身体機能の低下が起きている可能性があります。それらを把握・分析していくことで、フレイル対策に寄与できると考え、イベントの企画・運営を行いました。第1回は、片品村役場保健師の本多佳史様、高崎健康福祉大学の田中繁弥先生や学生の皆様、内田病院のスタッフの皆様、介護予防サポーターの方など様々な方々にご協力いただき、片品村役場を会場にイベントを開催しました。地域住民約30名に測定にご協力いただきました。測定結果は高崎健康福祉大学の田中先生に分析いただいております。第2回は、川場村のかわば交流ホールを会場に開催する予定となっております。
今後のフレイル対策を立案するとともに、市町村・大学・広域支援センター・介護予防サポーター・病院施設等が協力する機会を作り、日頃から協力できる体制も構築しております。

④ニュースレターの発行

広域支援センターの活動紹介や子供から高齢者まで幅広い方々に役立つ情報の発信を行っています。

【主な内容】
・フレイル予防に関する情報発信(イベント、研修など)
・自宅でできる転倒予防体操・口腔体操
・靴の履き方、選び方
・専門職によるスキルアップ教室のご案内

⑤研修会

リハビリテーション専門職をはじめとした多職種の方に知識や技術の向上、多職種連携に努めてもらうことで、地域で暮らす皆様がいきいきと生活できるように地域リハビリテーションの推進を図っています。

過去の研修会

【令和5年度】
・前庭リハビリテーションの基礎
・成長期の腰椎分離症に関する基礎知識 / 成長期サッカー選手の腰椎分離症に関する症例検討
・ICF(国際生活機能分類)について

【令和4年度
・セラピストの卒前教育と課題について(養成校一教員の立場から) ・Functional Balance Scale:FBSの効果判定について ・利根沼田リハビリテーション研究会 シンポジウム ~新入職員研修について~ ・看護師とリハビリテーション専門職の協働

【令和3年度
・上肢麻痺に対する川平法 ~重症度別に治療経験を報告~ ・認知症の人が住み慣れた知識で生活するために ~生きる力を支える見方~ ・医療と介護の連携によるリハビリテーションの推進 ~2021年度介護報酬改定を踏まえて~

⑥体組成計・口の運動機能検査の機器貸出(県健康長寿課より提供いただきました)

市町村の介護予防事業や地域の通いの場への支援にて活用いただけるように、体組成計(タニタ innerscan dual)と口の運動機能検査(健口くん ハンディ)の貸出を開始しました。専門職や市町村・包括の職員の方が測定できるようにマニュアルも同封されております。貸出を希望される方は下記の連絡先までご連絡をお願いします。
(※ 住民の方への貸出は行っておりませんので、ご注意ください)

〇体組成計(タニタ innerscan DUAL)

脂肪・筋肉・骨など身体を構成する組成分を測定します
体組成の乱れは生活習慣病や体調の乱れに繋がります
体組成を意識して健康的な生活に役立てましょう

口の運動機能検査(健口くん ハンディ)

「パ」「タ」「カ」の発音回数をカウントします
口の運動機能は食事・会話・呼吸・表情などに関係します
定期的に自分のお口の状態を確認しましょう

⑦電話相談・面接相談(リハビリに関する困りごとの解決)

電話相談・面接相談(リハビリに関する困りごとの解決)
自宅、施設、病院、診療所など地域における様々な場面でのリハビリテーションに関する相談を承ります。
下記にあります連絡先までお気軽にお問い合わせください。

相談内容の一例

・自宅で実施したり、家族に指導できるリハビリ・介護方法について知りたい
・利用者のリハビリに悩んでいるので、相談・指導を受けたい
・職員の腰痛などを予防したり、リハビリの技術を向上させたい
・福祉用具・住宅改修について相談したい

⑧専門職によるスキルアップ教室(旧名称:実地指導)(専門職による講義や実技指導による知識・技術向上)

普段困っているご利用者様のリハビリ方法・介助方法の相談にお答えしたり、講義や実技指導による職員の技術向上のお手伝いをさせていただきます。リハビリスタッフや専門職の在籍しない施設など無料でご活用頂けます。ご相談内容に応じて、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・歯科衛生士・音楽療法士などの専門職が皆様の職場に伺ったり、オンライン(Zoom等)を活用した非接触での相談、講義や実技指導を行うことができます。
高齢者施設のご利用者様に関する相談や職員の技術向上に関すること、子供に関する困りごとや関わり方の相談などにご活用いただいております。対象者の年齢、相談内容など幅広く受け付けておりますので、専門職によるスキルアップ教室の依頼、利用に関するご質問などがありましたら、下記の連絡先までご連絡をお願いします。

過去の指導内容の一例

・施設職員向けの正しい食事姿勢の講義と実技
・関節拘縮に対する介入方法の講義と利用者様に対する介入のアドバイス
・ポジショニングについての講義と質問に対する回答
・子供の運動発達に必要なポイントの伝達、遊びや関わり方のアドバイス
・高齢者サロンでの音楽を使った楽しいレクリエーションを教えてほしい

根沼田地域リハビリテーション広域支援センターうちだ(内田病院内)
受付時間 月曜~金曜 午前9時~午後4時
担当者 笠原
電話 0278-23-1231
FAX 0278-24-5315
メール yoshimi-kasahara@taiseikai-group.com

⑨地域リハ資源調査:利根沼田地域リハビリテーションに関する資格取得について(2023年9月30日時点)

日本理学療法士協会では、『地域包括ケアシステム』の推進のため、「地域ケア会議」、「介護予防」の2つの施策に重点を置き、人材の育成を行っています。地域ケア会議推進リーダーは地域ケア会議の目的を踏まえた上で、会議に参加し、自立支援につなげる助言ができる事が求められます。また、介護予防推進リーダーは、専門性を生かした評価、他職種や住民との協働による効果的な予防プログラムを企画・提案できる事が求められます。さらに2020年10月より高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施に対応できる人材を育成するため、フレイル対策推進マネジャーの資格が新設されました。フレイル対策推進マネジャーは栄養面や地域づくりなど幅広い支援、関係機関と連携して必要に応じて医療・介護サービスにつなげるマネジメント、フレイル対策に関する相談支援や研修会等の実践が求められます。
日本作業療法士協会では、『地域包括ケアシステム』に貢献できる作業療法士の育成・実践のツールとして「生活行為向上マネジメント」の活用を推奨しています。その認定者は地域ケア会議などの場において、自立支援の視点で対象者個人のケアマネジメントや本人が望む生活行為を実現できるように助言ができます。

地域リハ
支援施設(法人)
在籍人数 地域ケア会議
推進リーダー
介護予防
推進リーダー
フレイル対策
推進マネジャー
生活行為向上
マネジメント認定者
PT(名) OT(名) ST(名) PT(名) PT(名) PT(名) OT(名) PT(名)
8施設合計 239
(+5)
91
(+11)
27
(-1)
76
(-2)
67
(-2)
30
(-2)
6
(-2)
6
ほたか会 23 8
(+2)
1 2
(+1)
2
(+1)
2
(+2)
0 0
角田外科医院 2 1 0 1 1 0 0 0
輝城会 40
(+3)
28
(-1)
13
(-1)
26
(-1)
24
(-1)
10
(昨年値)
1 0
月夜野病院 45
(+3)
12
(+3)
3 5 4 2
(+2)
0 0
沼田病院 4 1 0 0 0 0 0 0
上牧温泉病院 20
(-4)
1
(-1)
1 11
(-2)
10
(-2)
7
(-2)
1
(昨年値)
1
(-1)
利根中央病院 44 16
(+2)
4 11 11 4 1
(-1)
0
大誠会 61
(+3)
24
(+6)
5 20 15 5 3
(-1)
5
(+1)

※PT:理学療法士、OT:作業療法士、ST:言語聴覚士
※在籍人数・資格取得人数の( )内は前年比

活動の基となる用語について

①地域リハビリテーション

地域リハビリテーションとは、障害のある子供や成人・高齢者とその家族が、住み慣れたところで、一生安全に、その人らしくいきいきとした生活ができるよう、保健・医療・福祉・介護及び地域住民を含め生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行なう活動のすべてを言う。

(日本リハビリテーション病院・施設協会 2016改定)

②フレイルとフレイル予防

フレイルは生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し不健康を引き起こしやすい 状態とされ、「要介護状態や死亡に至りやすい状態」と定義されています。すなわち要介護状態と健常 の状態の中間と位置付けられており、近い将来要介護状態へのリスクが高い一方で、改善の見込みのあ る可逆的な状態であるとされています。

フレイルには身体的要素、認知的要素、社会的要素の3要素があり、それぞれに発症頻度が異なりますが、 概ね1割程度がフレイル者に該当しています。身体的フレイルは体重減少、筋力低下、易疲労感、歩行能 力低下、活動低下により判定されるCHS基準の定義が用いられます。認知的フレイルは身体機能の低下 と認知機能の低下の併存している状態で、身体的フレイルの基準やClinical Dementia Rating(CDR)で 0.5等の基準を利用して判定されています。社会的フレイルでは社会的側面に焦点を当てて、社会的欲求 の満足感、社会的資源、一般的資源、社会活動など様々な要素から定義されています。

フレイルは適切な介入によって身体機能の向上、更にはフレイルからの脱却の可能性が期待されている ことから、今後更なる高齢化とともに増加が予想される後期高齢者等において、より一層のフレイル予 防が求められています。

1.Fried LP, Tangen CM, Walston J, Newman AB, Hirsch C, Gottdiener J, Seeman T, Tracy R, Kop WJ, Burke G et al: Frailty in older adults: evidence for a phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2001, 56(3):M146-156.
2.Statement on Frail from the Japan Geriatrics Society [https://jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20140513_01_01.pdf]
3.Kelaiditi E, Cesari M, Canevelli M, van Kan GA, Ousset PJ, Gillette-Guyonnet S, Ritz P, Duveau F, Soto ME, Provencher V et al: Cognitive frailty: rational and definition from an (I.A.N.A./I.A.G.G.) international consensus group. J Nutr Health Aging
2013, 17(9):726-734.
4.Fairhall N, Sherrington C, Kurrle SE, Lord SR, Lockwood K, Cameron ID: Effect of a multifactorial interdisciplinary intervention on mobility-related disability in frail older people: randomised controlled trial. BMC Med 2012, 10:120.

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